編集部
首都圏の新駅開設と再開発で街はどう変わる?注目の8エリアを紹介
[ライフスタイル]
都内では各所で新駅の工事が進んでいる昨今。新たに駅がつくられることで、周辺の街は大きく変わっていきます。品川新駅「高輪ゲートウェイ」駅を中心に、再開発に伴う町の変化の未来を予測していきます。
目次
- ①山手線新駅 高輪ゲートウェイ駅
- ・概要
- ・高輪ゲートウェイ駅の新設で品川エリアの不動産価値は上がる
- ・高輪ゲートウェイ駅に実際に行ってみた
- ②相鉄線新駅 羽沢横浜国大駅
- ・概要
- ・JRと相鉄線が直通運転を開始
- ・商業施設なども開業予定
- ③東京メトロ日比谷線新駅 虎ノ門ヒルズ駅
- ・概要
- ・銀座線と繋がり、高層ビルも建設中
- ・国際競争力を高める都市機能の導入
- ④西新宿3丁目の再開発
- ・概要
- ・魅力ある複合市街地の形成
- ⑤勝どき東地区第一種市街地再開発事業
- ・概要
- ・立地の特性を活かした住宅を中心に商業、生活支援施設が集積した複合市街地を形成
- ⑥春日・後楽園駅前地区
- ・概要
- ・文京区のシンボルゾーンとして相応しく賑わいのある拠点商業地の形成
- ⑦小岩駅周辺
- ・概要
- ・100年栄えるまちづくり
- ⑧2020年東京オリンピックと再開発
- ・オリンピック競技場の近く
- ・神宮外苑まわり
- ・選手村(晴海)はオリンピック後どうなるの?
山手線新駅 高輪ゲートウェイ駅
(出典:品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について)
◆概要
場所:田町駅―品川駅の間。JR山手線・京浜東北線が停車。
開業予定日:2020年春頃、2024年に街びらき(予定)。 ※記事公開時の情報です。
◆高輪ゲートウェイ駅の新設で品川エリアの不動産価値は上がる
不動産価値の判断基準の一つとして、交通アクセスの良さが大きく影響します。
新駅の開業によって、今まで最寄り駅まで徒歩10分以上かかっていたマンションが、5分以内で駅に向かえるとなれば利便性は上がりますよね。
今回取り上げる「高輪ゲートウェイ」駅の再開発では、周辺に新築マンションやビジネスタワーを建設する予定もあり、さらには商業施設なども併設されていきます。そのような駅周辺の再開発が行われることにより、駅周辺の地価価値・不動産価値は上昇する可能性が十分に考えられます。また、同じエリアにある都営浅草線「泉岳寺」駅と連携した広場や通路も整備され、交通機関の利便性はさらに向上するでしょう。
インフラの整備や災害などにも強い地域づくりも進み、品川エリアの再開発は新駅の開業とともに、これからますます発展していくと考えられます。
◆高輪ゲートウェイ駅に実際に行ってみた
「品川」駅高輪口を出て「泉岳寺」駅方面へと実際に歩いて向かってみました。国道15号線沿いを進むと金網越しに少しずつその全貌が見えてきます。
現在は駅舎の外観は、完成イメージに近い様子にまで出来上がっていました。泉岳寺駅方面につくられるイベントスペースなどの再開発はまだまだこれからの様子でしたので、今後に期待です。
「泉岳寺」駅周辺には目立った商業施設は少なく、落ち着いた街並みの印象です。古くから親しまれる飲食店が点在しています。新駅の開業とともに利用者も増え、「泉岳寺」駅周辺もより活性化していくでしょう。
相鉄線新駅 羽沢横浜国大駅
◆概要
場所:相鉄本線「西谷」駅―JR「武蔵小杉」駅間、「羽沢国際大」駅―東急東横線・目黒線「日吉」駅。
開業予定日:2019年11月30日、2022年度下期 ※記事公開時の情報です。
◆JRと相鉄線が直通運転を開始
相鉄本線「西谷」駅から連絡線を設け、JR線「武蔵小杉」駅までの区間を結びます。「羽沢横浜国大」駅から「武蔵小杉」駅区間の約16キロを乗り換えなしでアクセスすることができます。
直通線では相鉄線「海老名」駅および「湘南台」駅から新宿方面の運行を予定。東京都心までのアクセスが良くなるため、新駅にも多くの注目が集まっています。
また2022年には相鉄・東急直通線が開業予定であり、「羽沢横浜国大」駅から「新横浜(仮称)」駅間、 「新横浜(仮称)」駅から「日吉」駅間を結びます。 東急線へと繋がる路線のため、渋谷・目黒方面へのアクセスが便利になります。相鉄・東急直通線が開業することにより、ますます「羽沢横浜国大」駅は再開発が活発となっていくでしょう。
◆商業施設なども開業予定
現在、「羽沢横浜国大」駅周辺には、アパートなどの住宅が多く建ち並び、1キロほど離れた場所に横浜国立大学のキャンパスがあります。商業施設がほとんどない場所ですが、新駅の開業とともに中高層ビルや商業施設などが建設予定となっています。子育て施設なども建設予定のため、現在は学生が多く住む町にもファミリー世帯が増えることも予測できます。
東京メトロ日比谷線新駅 虎ノ門ヒルズ駅
(出典:都市再生特別地区(虎ノ門一・二丁目地区) 都市計画(素案)の概要)
◆概要
場所:東京メトロ日比谷線「霞ヶ関」駅―「神谷町」駅の間
共用予定日:2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催される前に共用予定。2022年に最終完成予定。 ※記事公開時の情報です。
◆銀座線と繋がり、高層ビルも建設中
現存する銀座線「虎ノ門」駅との地下連絡通路が整備され、新たな交通アクセスが生まれます。ビジネスエリアだからこそ、新たな交通手段が増えることで交通手段の混雑緩和にも良い影響を与えてくれそうです。
また新駅開設に伴い建設される『(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー』は、新駅と街を繋ぐ交通結節空間としてエリア全体の回遊性を高めます。
◆国際競争力を高める都市機能の導入
虎ノ門エリアではビジネスの発展とビジネス拠点となるべく再開発が計画されています。
様々なニーズに合わせたフォーラムやギャラリー、レストランなどが商業ビル内に整備され、外国人就労者にも対応したビジネス機能の整備が施されます。その上で宿泊施設なども整備され、ビジネスで訪れた人や観光で訪れた人も利用しやすい街へと再開発が進んでいくでしょう。
また、環境や防災面での機能強化も取り組まれます。歩道を広くとり、公園などの緑地も多く整備され景観でも快適さを形成する予定です。こうした地域コミュニティの場として公園などが整備されることで、周辺住人が自然と集まるような環境へと変わっていくかもしれません。
西新宿3丁目の再開発
◆概要
地上65階、地下2階の高層ビル2棟建設予定。2028年度完成予定。低層部分には商業施設や子育て支援施設などが整備予定。 ※記事公開時の情報です。
◆魅力ある複合市街地の形成
利便性の向上と防災に強い街づくりを目標に再開発が計画された西新宿3丁目エリア。再開発の目玉でもあるツインタワーは最大級規模約3,200戸のビッグコミュニティとなります。低層階には商業施設なども整備されるため、都心型のライフスタイルにも適応。また公園の整備や歩道の拡幅をすることでファミリーでも暮らしやすい街へと変わっていきます。
現状の課題の一つとして木造建築住宅の老朽化問題があります。その課題をクリアにするためにも、住宅密集地域に開放感を与え景観にもこだわった再開発が計画されています。
最寄りの「初台」駅からのアクセスが良くなり、周辺の「東京オペラシティ」や「新国立劇場」への集客にも良い影響を与えるものと考えられます。
勝どき東地区第一種市街地再開発事業
◆概要
A1棟(地上58階)、A2棟(地上45階)、B棟(地上29階) 。A1棟、A2棟が2023年完工予定。B棟は2028年完工予定。 ※記事公開時の情報です。
◆立地の特性を活かした住宅を中心に商業、生活支援施設が集積した複合市街地を形成
運河沿いを望む勝どきエリアに3層の高層ビルが連なる再開発事業が2019年に着工しました。高層階には住宅、低層階には商業施設や事務所、公共施設が設けられます。最寄りの都営大江戸線「勝どき」駅とは地下で直結することになり、雨風も気にすることなく利用可能になります。
春日・後楽園駅前地区
◆概要
総戸数775戸の高層ビル群を建設予定(住宅・店舗・事務所)。2021年完工予定。 ※記事公開時の情報です。
◆文京区のシンボルゾーンとして相応しく賑わいのある拠点商業地の形成
多くの難関大学のキャンパスを構える文京区。「春日」駅と「後楽園」駅の間、その再開エリアは「文京GARDEN」と命名され、分譲マンションや複合ビルなどが建設されます。東京メトロ線や都営三田線など4路線が利用できる好立地のため、大きな注目を集めるエリアです。
北・南・西の3つに分類されるエリアの中心部には、オープンスペースのグリーンバレーが整備される予定で、環境面にも配慮された都市再開発が計画されています。
小岩駅周辺
◆概要
住宅・商業・事務所からなる3棟のビル群の建設(2024年完工予定)。駅前商店街やアプローチ道路の整備など。 ※記事公開時の情報です。
◆100年栄えるまちづくり
江戸川区は2009年から100年栄えるまちづくりと題して、「小岩」駅を中心に再開発をスタートさせました。高層ビルの建設を中心にアプローチ道路の拡幅や整備を進めています。駅周辺は老朽化などの課題もあり、災害などにも強い街づくりも目的の一つとなっています。
2020年東京オリンピックと再開発
◆オリンピック競技場の近く
オリンピックの競技場として東京臨海部に大きなスポーツ拠点の開発が進んでいます。有明エリア・夢の島エリア・海の森エリアの3エリアでは、レガシーの創出に向けて多様なスポーツの場として、オリンピック後も利用できるようになることでしょう。
交通の利便性向上も同時に進められており、都心から臨海部へと交通ネットワークも広がり、シャトルバスやクルーズ船などの整備も検討されています。当然、環境面やバリアフリー化の計画も図られているため、生涯スポーツの場としても誰もが利用しやすい施設となっていくことが期待できます。
◆神宮外苑まわり
東京オリンピックを迎えるにあたって再開発が進んでいるのが競技場周辺ですが、中でも「新国立競技場」周辺はスポーツ施設が充実しています。野球場やラグビー場の他にも、体育館やテニスコートなど様々。赤坂御所や新宿御苑もあり自然を感じられる景観も整っています。
オリンピック後の新国立競技場は、トラックをそのまま残し、球技と陸上の併用の施設となる予定です。競技場の大広場にはパブリックビューイングなどが設置され、多くの人がスポーツを通して交流できる空間が生まれます。オリンピック後も、スポーツの発展に大きな影響をもたらす拠点として多くの人に利用されるエリアとなるでしょう。
◆選手村(晴海)はオリンピック後どうなるの?
東京オリンピックの選手村は晴海エリアに建設され、21棟の住宅に加え商業棟が1棟、タワー棟が2棟、大会後に整備される予定です。オリンピック後、住宅棟は改修工事を行い一般販売されます。総戸数は5,650戸にものぼり、その内訳として住居用住戸だけでなく高齢者施設や保育所、教育施設などにも整備されます。
交通手段としてバス高速輸送システム「BRT」が導入されます。専用レーンを走る定時走行が可能な交通手段であるため、都心への通勤も便利になります。
まとめ
再開発は、どのエリアにおいても街の発展を目的として住みやすく利用しやすい、より良いまちづくりが基本概念。首都圏では新駅の開業やオリンピック開催など、これからも多くの事業とともに発展し、世界から見ても目覚ましく発展を遂げるエリアとしても今後注目されていくことでしょう。