実は狙い目!? 訳あり不動産を買うべき理由

訳あり不動産とは

訳あり不動産とは、いわゆる事故物件の部類であり明確な定義がありません。

中古住宅において、そこに住んでいた過去の住人が何らかの理由によって亡くなったり、その中古住宅近隣で事件・事故・自然災害などが発生したりした際に訳あり物件として扱われるケースがあります。

明確な定義がない理由として、人によって不利益の差があるためです。

例えば、部屋の中で亡くなった人が単なる老衰なのか事件自殺など亡くなったかによっても人に与える印象は違ってきます。また、マンションの隣に墓地があることを嫌う人もいれば、全く気にしない人もいるのです。

そういったケースが多く判断基準が人によって異なるため、明確に訳あり不動産の定義がなされていないのです。

訳あり不動産の種類

不動産における訳ありというのは、瑕疵（通常あるべき品質が欠けていること）がある建物や土地のことを指します。そこでいくつかある瑕疵の種類について解説していきます。

・心理的瑕疵

いわゆる事故物件と呼ばれる瑕疵のことです。

過去の事件や事故、自殺などがその建物内で起きた場合に心理的瑕疵となります。

住む人が心理的な面において不安を感じてしまう理由と考えるとわかりやすいかもしれません。他にも「同じマンション内に反社会的勢力の事務所がある」という理由もこれに当たります。

・法的瑕疵

これは法律的な問題がある場合のことを指します。

建築基準法や消防法において安全基準を守っていないマンションなどのケースがあります。法律が改正される以前に建てられた不動産「既存不適格建築物」には、現在の建築基準法を満たしていない物件もあり、法的瑕疵に当たる可能性があります。

また、法的瑕疵にあたる建物は住宅ローンが組みにくい傾向にあります。現金ではなく、住宅ローンでの物件購入を検討している人は、法的瑕疵にあたる訳あり不動産は避けた方が良いでしょう。

・環境的瑕疵

建物自体に問題はないものの、周辺の環境に問題がある場合のことを指します。

例えば事件・事故が多く発生している地域だったり、墓地や葬儀場などが近くにあったりなど、そのエリアで暮らすことでの瑕疵に当たるケースです。

しかしこうした環境的瑕疵に関しては、人により影響の差が大きく、広告などでは記載されないことが多いです。

・物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、言葉通り建物や土地に物理的な欠陥があることを指します。

雨漏り被害がある建物、地盤沈下している土地などが物理的瑕疵に当たります。また、過去に話題にもなったアスベストの使用や土壌汚染問題など目には見えない瑕疵もこれに当たります。

なぜ訳あり不動産が狙い目なのか

訳あり不動産は相場と比べ「価格が安い」というのが特徴です。

中古住宅の中でも訳ありということで、通常よりも価格を安くして販売することが多いのですが、前述した通り訳ありにも様々な理由があります。

近年は社会的に高齢者の孤独死が年々増加傾向にあります。そのため心理的瑕疵にあたる訳あり不動産の数も増えてしまっている現状があります。中でも東京などの大都市が多く、つまり好立地なエリアに訳あり不動産が存在する可能性も高くなっているといえます。

環境的瑕疵に当たる近隣に墓地があるというだけで価格が安くなる物件であれば、そこまで気にならないという人もいます。そういった方にはむしろお買い得と感じる人もいるかもしれません。

また訳あり不動産は、マイナスなイメージが強くなかなか売却できないことが多いため、売主側も何とかして売却しようと試みます。そこで価格交渉でプラスに働く可能性も有り得ます。

それ以外にも、中古住宅とはいえ売主側が内装をリフォームして、心理的瑕疵の影響を軽減するケースも多く、低い価格できれいなお部屋に住むことができる点においても狙い目です。

訳あり不動産を見つける方法

相場より価格や低い物件とはいえ、実際に訳あり不動産であると物件情報サイトに表示されることはほとんどありません。そこで訳あり不動産を見つける方法をいくつか紹介します。

・「告知事項あり」と記載がある

物件の情報欄に「告知事項あり」と記載があることがあります。その場合多くは心理的瑕疵がある可能性が高く、訳あり不動産といえます。

告知事項に関してはそのガイドラインが制定されており、訳ありの内容によって告知する必要があるものと必要が無い内容があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

⇨（国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」）

・部分的なリフォームが実施されている

先述した通り、室内で死亡事故などが起きた際、多くのケースとして床やクロスの貼り替えなど部分的なリフォームが行われることがあります。その部屋で遺体が見つかったケースがほとんどで、そのままの状態では再販しにくいといった状況により部分的なリフォームが行われます。

・建物の名前が変わっている

マンションで事件や事故が起こると、マンション名が情報としてテレビやネットに特定されてしまうことがあります。その際に悪い印象をなくそうと建物名を変更することがあります。昔の地図を調べたり、その土地の詳しい人に聞いてみたりすると良いでしょう。

まとめ

訳あり不動産は売却しにくいからこそ、売主側もどうにかして売却したいと考えているものです。そこを逆手に捉え、訳あり不動産をあえて選択することで、よりお得に住居を手に入れることができるかもしれません。

ひとえに「訳あり」と言っても、過去に事件や事故があったとは限りません。そこまで気にしない人は、訳あり不動産を探してみることをおすすめします。