編集部
中古マンション投資で押さえておきたい5つのこと
[不動産知識]
さまざまな種類のある「投資」の中でも人気のある「中古マンションへの投資」。今回は初めて中古マンションへの投資を考えている方に向けて、中古マンションに投資するメリット・デメリットや、よくある失敗例をご紹介します。また中古マンションへの投資でおさえておきたい6つのポイントも解説!不動産投資を検討している方にぜひご覧いただきたい内容となっています。
目次
- 1.中古マンションに投資するメリットについて
- ・物件価格が安く、利回りが高い
- ・今までの管理体制が分かる
- 2.中古マンションに投資するデメリットについて
- ・新築と比べると修繕費用が高い
- ・建物の老朽化によるトラブルが起こりやすい
- 3.中古マンション投資の利益とは
- ・一般的な利回り計算の仕方
- ・本当の利益とは?
- 4.中古マンションの投資でよくある失敗例
- ・価格が安く、人気のない物件を選んでしまう
- ・目的をハッキリさせないまま物件を購入する
- ・建物の状態の把握不足
- 5.中古マンションの投資で押さえておきたい6つのこと
- ・エリアの需要と今後の見通しを考える
- ・家賃収入が低すぎる物件は避ける
- ・建物の耐震基準適合の状態をチェック
- ・マンションの管理状態を確認しておく
- ・今の入居者についてよく確認しておく
- ・入居者の立場から物件を客観視する
中古マンションに投資するメリットについて
〇物件価格が安く、利回りが高い
中古マンションへの投資は、新築マンションへの投資に比べて利回りが高いというメリットがあります。
中古マンションは新築マンションに比べて物件価格が安いことがほとんどですが、貸し出すときの家賃に大きな差はありません。
そのため、物件価格が安い中古マンションのほうが利回りが高くなるのです。
〇今までの管理体制が分かる
今までの管理の状況が分かるというのもメリットです。マンションの耐久性には管理体制が深く関わってくるため、「せっかく投資用に購入したのにマンション自体が劣化してしまい貸し出せなくなった」という事態を防ぐためにも管理体制を良く確認しておくことは大切です。
新築マンションだと今後の管理がどうなるのか分かりませんが、中古マンションであれば今までの修繕履歴を見ることで管理体制を伺うことができます。
中古マンションに投資するデメリットについて
〇新築と比べると修繕費用が高い
マンションは築年数が経つごとに躯体が老朽化し、それを食い止めるために修繕工事が必要になります。修繕工事のための積立金は基本的に物件の所有者から徴収されます。
新築マンションと比べると、築年数が経過している中古マンションのほうが修繕のための積立金が高い傾向にあります。
〇建物の老朽化によるトラブルが起こりやすい
修繕工事によって老朽化を食い止めますが、それでも配管などの劣化にともないトラブルが起こることがあります。
水漏れなどが典型的な例であり、入居者に被害が生じることも。このようなトラブルが起こる危険性は、新築マンションよりも高いといえます。
中古マンション投資の利益とは
〇一般的な利回り計算の仕方
中古マンション投資の利回り(表面利回り)は、以下のように計算されます。
年間収入÷購入価格
たとえば2000万円の物件を家賃12万円で貸し出したとすると、
12万円×12か月÷2000万円=0.06
となり、利回りは約6%となります。
〇本当の利益とは?
しかし、中古マンション投資の利益は利回りだけでは判断できません。
例えば、2000万円の物件を全額ローンで購入し、諸費用の100万円のみを現金で支払った場合を考えてみましょう。また、お部屋は家賃12万円で貸し出したとします。
月々の支払いが、ローン返済と修繕金などの管理費込みで10万円とすると、家賃12万円から10万円が引かれた2万円が毎月の利益になります。すると、2万円×12か月=24万円が年間の利益となります。
仮に固定資産税などで4万円ほど引かれたとしても、年間の利益は約20万円。
100万円の現金で毎年約20万円もの利益を得られることになり、5年間で元が取れる計算になります。この毎年20万円が、中古マンション投資の「本当の利益」といえるのです。
中古マンションの投資でよくある失敗例
〇価格が安く、人気のない物件を選んでしまう
中古マンションへの投資で一番よくある失敗が、「価格が安いという理由で、人気のない物件を購入してしまう」というものです。
どんなに物件価格が安くても、人気がなく入居者が見つからなければ利益を得ることができません。価格が安い物件にはなにかしら「安い理由」があり、それが空室へのリスクにつながることもあるため注意が必要です
■人気のない物件とは?
では、人気のない物件とはどのようなものでしょうか?代表的なものは以下の3パターンです。
①地方にある
②駅から離れており、アクセスが良くない
③お部屋の内装や設備が古い
このうち、③の「お部屋の内装や設備が古い」というのは、リフォーム・リノベーションをして改善することができます。お部屋の設備や雰囲気をよく考えることで、入居者を増やせるケースもあります。
〇目的をハッキリさせないまま物件を購入する
投資物件を購入するときの「目的」をハッキリさせないことが失敗につながるケースもあります
投資用物件を購入する目的は人によってさまざまですが、目的によって購入に適した物件は違います。そのため、はじめに目的をハッキリさせておくことが大切です。
「利回りによって利益を出したい」というのが一番の目的であれば、中古マンションへの投資がおすすめです。前述したように、物件価格が安く利回りが高いためです。
〇建物の状態の把握不足
物件の状態を良く確認しておかなかったことで失敗することもあります。
建物の老朽化によって修繕のための費用がかかり、利益が出ないといったことが起こるためです。
せっかく安い物件を見つけて購入しても、購入後にお金がかかってしまっては意味がありません。築年数や耐震基準への適合など、建物の状態はしっかり把握しておきましょう。
中古マンションの投資で押さえておきたい6つのこと
〇エリアの需要と今後の見通しを考える
マンションが建っているエリアによって、お部屋探しをしている人の需要は異なります。
このトレンドを見極め、より需要の高い物件に投資することが大切です。
■オススメは若い単身者に人気のエリア
投資としてオススメなのは、若い単身者に人気のエリア。ファミリーよりも単身者のほうが入れ替わりが活発であり、空室リスクが低いためです。ファミリーは単身者に比べて引っ越しが頻繁ではないため、一度空室になってしまうとなかなか次の入居者が見つからない…といったことになりがちです。
■エリアの需要にあった物件を選ぶ
若い単身者に人気のエリアでも、3LDKのお部屋になかなか入居者は見つかりません。投資先のマンションを選ぶときには、エリアの需要に合わせたお部屋を探すようにしましょう。また、需要に合わせて設備をアップデートすることも大切です。
例えば、若い女性に人気のエリアであれば、セキュリティを充実させるといった対策で物件の人気を高めることができますし、設備だけでなく内装のテイストなどもトレンドに合わせて変えていくと良いでしょう。
〇家賃収入が低すぎる物件は避ける
利回りが高くても家賃収入が低すぎる物件は危険です。
物件の維持には、物件価格(ローンの返済)以外にも賃貸管理費や修繕積立金などの費用がかかります。どんな物件でも1万円前後は必要なことが一般的。家賃収入が低いと、これらの費用を差し引いたときに利益が少なくなってしまいます。
〇建物の耐震基準適合の状態をチェック
築年数よりも、そのマンションが新耐震基準に適合しているかどうかを重視しましょう。建物の耐久性には新耐震基準に適合しているかどうかという点が大きく関わるためです。
また、入居者が新耐震基準の有無でお部屋を選ぶこともあります。新耐震基準に適合していないことで入居者が減る可能性もあるため、注意が必要です。
■新耐震基準の適合はどこで分かる?
新耐震基準と呼ばれる現行の耐震基準は、昭和56年(1981年)6月1日に施工されたものです。この日よりあとに建築確認が取られている(建築の許可が下りている)物件であれば、耐震基準に適合しています。
しかし、建築年月日と建築確認が取られた日は違うため、建築年月日だけでは確認できません。気になるときには不動産会社に問い合わせてみてください。
〇マンションの管理状態を確認しておく
マンションの管理体制については、
- 今までの修繕工事の履歴
- 今後の修繕工事の計画
の2つを確認しましょう。また、マンションの居住者が修繕積立金を滞納していないかどうかも確認してください。修繕積立金が十分に貯まっていないと必要な工事ができないことがあります。
〇今の入居者についてよく確認しておく
現在入居者がいる物件を購入する場合、その入居者がどのような人なのか、必ず確認するようにしましょう。
家賃の滞納がないか、近隣の住民とのトラブルがないか、規約違反の行動がないかといったことがチェックポイントとなります。
入居者に問題があると家賃収入を得られないこともあるため、しっかりと確認しておきましょう。
〇入居者の立場から物件を客観視する
投資用物件を探しているとついつい「お金になる物件」を探してしまいがちです。
しかし、投資用に購入しても入居者が見つからなければ利益は得られません。そのため、入居者の立場にたって「住みたい家」を選ぶことが大切なのです。