編集部
中古マンションの相場っていくらくらい?
[不動産知識]
中古マンションの購入を考えたとき、「このマンションの相場はいくらなんだろう?」「この価格は相場と比較して安いの?高いの?」と気になる方も多いのではないでしょうか?この記事では、中古マンションの相場の決まり方や相場の調べ方を解説!さらに購入前によくある質問とその答えも紹介しています。
目次
- 1.マンションの資産価値ってどう決まる?
- ・駅からの距離
- ・新耐震基準への適合
- ・マンションの管理体制
- 2.不動産価格の推移状況はどうなってるの?
- 3.不動産価格の相場はどうしたら分かる?
- ・物件情報サイトが提供している不動産相場をチェック
- ・不動産会社に聞いてみる
- 4.不動産購入で失敗しないための3つのポイント
- ・資金計画をしっかり立てる
- ・条件に優先順位をつけておく
- ・資産価値も考えて物件を選ぶ
- 5.中古マンション購入前によくある質問4選
- ・中古物件の耐久性は大丈夫?
- ・新築マンションと中古マンション、お得なのって実際どっち?
- ・中古マンション購入の諸費用が高いって本当?
- ・同じ間取り・同じマンションで価格が違うのはどうして?
マンションの資産価値ってどう決まる?
中古マンションの資産価値を決めるポイントはさまざま。そのお部屋の条件となることすべてが資産価値に関係するともいえます。
しかしその中でも、あとから変えることが難しい条件ほど資産価値に大きく影響します。後から変えることが難しい条件のうち、特に重視されるのが以下の3つです。
〇駅からの距離
一般的に、駅から近ければ近いほど資産価値は高くなります。single・DINKS向けとされるような物件(お部屋の広さが60㎡以下)の場合は特に重要視されます。
また、駅の利便性によっても価値は変わります。人気のある路線が通る駅や、複数路線が利用できる駅の近くであれば資産価値が高くなる傾向にあります。
〇新耐震基準への適合
資産価値に大きく影響するのは、築年数よりも「新耐震基準に適合しているかどうか」という点です。
築年数と立地がほぼ同じマンションであっても、新耐震基準に適合しているマンションとしていないマンションでは資産価値に差が出てきます。
〇マンションの管理体制
マンションの耐久性を決めるポイントは管理体制です。管理体制が良い=耐久性に優れているということになるため、資産価値にもつながるのです。
管理体制には管理会社の良し悪しだけでなく、マンションの住人のモラルも関係します。状況がすぐには変わらないため、今まで管理体制が良かったマンションは今後も良いと判断されることが多いです。
不動産価格の推移状況はどうなってるの?
中古マンションの価格は、2013年ごろから上昇傾向にあります。市場の動向をもとに、詳しくみていきましょう。
公益財団法人東日本不動産流通機が発表した「首都圏不動産流通市場の動向(2018年度)」の、中古マンションの価格の推移は以下のグラフのようになっています。
成約した(購入された)物件の価格も、市場に出た物件(不動産流通システムであるレインズに新規登録された物件)の価格も、2013年ごろから上昇していることが分かります。
また、物件そのものの価格だけでなく、1㎡あたりの価格も上がっています。
背景には、2013年の金融緩和政策の影響で住宅ローンの金利が下がり、お家の購入を考える方が増えていることがあげられます。オリンピック招致が決定したことにより不動産の需要が高まったことも一因といえるでしょう。
※上記の内容は、首都圏の中古マンションの価格推移における傾向です。
不動産価格の相場はどうしたら分かる?
〇物件情報サイトが提供している不動産相場をチェック
不動産価格の相場を知りたいときには、まず物件の情報を掲載しているポータルサイト(suumo、HOME’Sなど)が提供しているデータを見てみましょう。エリアごと、広さごとなどの相場を確認することができます。
おおまかな相場を把握したら、気になっている物件の価格と比べてみます。価格が相場より高すぎる物件は多くの方が避けると思いますが、相場より安い物件にも注意が必要です。マンション全体やお部屋の中などにその物件の資産価値を下げる理由があるためです。
〇不動産会社に聞いてみる
より詳しく物件の相場が知りたいときには、不動産会社に「このマンションの別の部屋は、最近いくらくらいで売却されましたか?」と聞いてみてもよいでしょう。
お部屋の条件によって多少の差はありますが、そのマンションのだいたいの相場をつかむことができます。
不動産購入で失敗しないための3つのポイント
不動産購入で失敗しないためのポイントを、特に大切な3つにしぼってご紹介します。詳しくは以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
〇資金計画をしっかり立てる
中古マンション購入の際に一番大切なことは、はじめにしっかりと資金計画を立てておくことです。
資金計画を立てずにお部屋探しをはじめると、無理な住宅ローンを組んでお家を購入してしまうケースがあります。こういうケースに陥ると、購入後にローンの返済に追われゆとりのない生活を送ることになってしまう可能性があります。
また、購入できる物件の金額を明確にすることで、お部屋探しもスムーズに進みます。
〇条件に優先順位をつけておく
お部屋に求める条件の中で、優先順位をつけておきましょう。
希望する条件すべてに当てはまる物件はなかなか見つかりません。無理のない予算の中で理想に近いお部屋を見つけるためには、条件に優先順位をつけておくことが大切です。
優先順位の高い条件を外さないようにお部屋を選ぶと、購入後の後悔が少なくなります。優先順位の低い条件にとらわれすぎず、本当に必要な条件を大切にするようにしてください。
〇資産価値も考えて物件を選ぶ
購入して住むことだけでなく、そのあとに物件を売却したり賃貸物件として貸し出したりすることも考えてお部屋を選ぶと、将来的にも安心です。
近年は購入したお部屋を元手に次のお部屋を購入する「住み替え」を行う方も増えています。このとき、重要なポイントは物件の資産価値です。
家族構成やライフプランの変化によって住む家を変えたくなったときに、スムーズに住み替えが行えるよう資産価値も考えてお部屋を選ぶことをおすすめします。
中古マンション購入前によくある質問4選
〇中古物件の耐久性は大丈夫?
マンションの耐久性に大きく関わるのは、「管理体制」です。
どんなに新しいマンションであっても、適切な管理をせずに放置しておけば経年劣化ともに耐久性が落ちていきます。この経年劣化を食い止めるために行われるのが、大規模修繕工事などの適切な管理です。
大規模修繕工事がきちんと行われている物件であれば、耐久性については安心できるといえます。耐久性を重視してお部屋を選びたいときには、そのマンションの管理の状態を確認するようにしてください。
〇新築マンションと中古マンション、お得なのって実際どっち?
■物件価格が安いのは中古マンション
マンションの価格は経年劣化にともない、新築時から下がり続けます。
建物の価格は築後25年ほどで新築時のおよそ半分程度になるとされており、同じ広さや立地の新築マンションと比べると価格が安いことがほとんどです。
■管理費や修繕積立金が安いのは新築マンション
管理費や修繕積立金などは築年数が経つほどに値上がりしています。そのため、新築時にはこれらの価格は低めに設定されています。
■売却しやすく価格の崩れが少ないのは中古マンション
購入時にお得なことも大切ですが、売却するときにお得ということも大切です。
売却時の価格と購入時の価格にギャップが少ないのは、中古マンションの特長です。マンションの価格は築年数とともに下落していくため、新築時の価格とそれ以降の価格とではギャップがあるのです。
売却がしやすく、資産価値の面で優れているのは中古マンションだといえます。
新築マンションと中古マンションの違いについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
参考:中古マンションのメリットは?新築マンションとの比較
〇中古マンション購入の諸費用が高いって本当?
「中古マンションの購入は諸費用が高い」と聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新築マンション購入の諸費用と中古マンション購入の諸費用のうち、違いがあるのは「仲介手数料」の有無です。中古マンションの購入時には物件を紹介した不動産会社に仲介手数料を支払う必要がありますが、新築マンションの購入に仲介手数料はかかりません。
〇同じ間取り・同じマンションで価格が違うのはどうして?
中古マンションの資産価値には、そのマンション共通の条件が大きく関わってきます。
しかし、マンション内で広さ・間取りが同じお部屋であっても、以下のような条件が変われば資産価値に差が出てきます。
■所在階
一般的に、階数が高くなればなるほど資産価値も高くなるとされています。また、最上階(上階に住戸がない)の場合はさらに資産価値があがります。
■日当たり
日当たりの良し悪しも資産価値に影響します。
一般的に、南向きであれば資産価値が高く、北向きであれば資産価値が低くなるとされています。ただし、「南向きだけど目の前に建物が建っていて日が入らない」という場合や、「北向きだけど高層階なので日当たりが良い」という場合もあるため、方角だけでは判断できません。
また、現在の日当たりだけでなく将来的な日当たりも考慮されることがあります。
たとえば窓側にあるのが寺院や神社の場合、その場所に今後高い建物が建つ可能性が低いと判断されるため、資産価値が上がることがあります。
■眺望
対面する建物がなく景色がひらけている場合、資産価値が高くなります。
それに加えて「海・川が望める」という場合や「花火大会が見える」といった場合はさらに付加価値が付きます。
■内装
資産価値に大きく響くのは「あとから変えられない部分」ですが、後から変えられる部分が関係しないわけではありません。お部屋の内装工事の状況も資産価値に影響します。
特に、配管から交換するようなリノベーション工事が行われていた場合は資産価値が高くなりやすいです。また、水回りにあるような浴室乾燥機・食洗機や、床暖房などの設備の有無も影響します。
■今までお部屋であったこと
購入する人に告知するべきことがある場合です。いわゆる「事故物件」といわれるお部屋がこれにあたります。お部屋の中で人が亡くなっている場合などが該当し、物件価格が安くなる傾向にあります。
まとめ
今回は中古マンションの相場や購入の際のポイントなどについて解説してきました。
お住まいは人生の中で大きな買い物です。ですから、今回ご紹介したポイントを参考に不動産購入で失敗しないよう気をつけるようにしましょう。