編集部
「中古マンション+リノベーション」でお得な暮らしを実現するために注意したいこと
[不動産知識]
「新築のようなキレイなお部屋に住みたいけど、お金のことが心配…」そんな方におすすめしたいのが、リノベーションを施した中古マンションです。リノベーション+中古マンションの物件について、メリットだけでなく購入するときの注意点やトラブルを防ぐ方法も紹介。適合リノベーション(R1住宅)についても解説しています。
目次
- 1.リノベーションとリフォームの違いとは?
- 2.中古マンション・リノベーション物件のメリット
- ・物件の価格が安い
- ・売却がしやすい
- ・セミオーダーメードのお部屋が作れる
- ・リノベーション済みマンション工事の事例
- 3.リノベーション済マンションを購入するときは目に見えない部分に注意!
- ・大切な配管などは目に見えないところにある!
- ・ホームインスペクションで目に見えない部分もチェック!
- ・アフターサービス保証付きの物件を選ぶと安心
- 4.中古マンションの選びの3つのコツ
- ・無理のない資金計画を立てる
- ・マンションの管理体制をチェック
- ・信頼できる不動産会社を選ぶ
- 5.安心安全?「適合リノベーション住宅(R1住宅)」
- ・R1住宅とは?
- ・R1住宅の基準
- ・R1住宅のメリット
リノベーションとリフォームの違いとは?
リノベーションとは、広い意味でいえば「中古住宅の内装を工事すること」です。
これにはリフォームも含まれますが、「リフォーム」と「リノベーション」でどういったニュアンスの違いがあるのでしょうか?
それぞれを比べると以下のような違いがあります。
リノベーションでは、壁や床などの見た目をキレイにするだけでなく、間取りや設備などを今のトレンドにあわせて作り替えます。そのため、他の物件にはない新しい価値が部屋に生まれるのです。
リノベーションとリフォームの違いについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
参考記事:リノベーションとは?リフォームとの違いや手順について
中古マンション・リノベーション物件のメリット
〇物件の価格が安い
中古マンション・リノベーションマンションともに、新築のマンションと比べると価格が安い傾向にあります。リノベーションマンションの場合は販売価格にリノベーションの施工費用が含まれていますが、それでも新築マンションより安いことがほとんどです。
リノベーションの相場や予算、お得になる情報はこちらの記事でさらに詳しく解説してます。ぜひご覧ください。
関連記事:リノベーション費用を抑えるには?相場と節約ポイント4選!
〇売却がしやすい
「売却がしやすい」というのも中古マンション・リノベーションマンションのメリットです。マンションの売却価格は建物の老朽化にともなって新築時から下落していき、築後25年くらいで一度落ち着きます。
そのため、新築マンションを買ったあとに売却すると価格の下落幅が大きく、なかなか思うような金額で売却できないケースが多いです。
中古マンションであれば価格の下落幅がそこまで大きくなく、立地やマンションの状態によっては購入時より高く売れることもあります。
〇セミオーダーメードのお部屋が作れる
中古マンションを購入し自分でリノベーションをする場合、内装を自分の好みに作り替えることができます。それぞれのライフスタイルに合わせて自由にレイアウトでき、おしゃれな内装を自分の思いのままです。
配管などの関係で改修に制約がある場合もありますが、基本的には自由な間取りをつくることが可能です。水回りの設備なども自分好みにカスタムすることができます。
〇リノベーション済みマンション工事の事例
こちらは弊社が所有する物件をリノベーション工事のビフォーアフターです。2LDKだった間取りを3LDKに変更し、古くなった水回りから床やクロスなどすべてをスケルトン状態にして一新しました。まるで新築のような内装に仕上がっています。
リノベーション済マンションを購入するときは目に見えない部分に注意!
〇大切な配管などは目に見えないところにある!
リノベーション済の物件を購入するときは、工事の内容についてよく確認しておく必要があります。床下や壁の外側、天井裏などには大切な配管が通っていますが、その部分の施工に不備などがあると水漏れなどの被害にあうリスクがあるためです。
〇ホームインスペクションで目に見えない部分もチェック!
壁の外側や床下などは、内見のときに確認するにも限界があります。そんなときはホームインスペクションを利用するのも良いでしょう。
ホームインスペクションとは、「住宅診断士」という資格を持った人が、第三者の立場から住宅を診断することです。天井裏や床下まで検査し配管の状況なども報告してくれるため、目に見えない部分の不具合を未然に防げることがあります。
相場として5~10万円ほど必要になりますが、「数千万円のお買い物をしたあとに後悔しないために…」とホームインスペクションを利用する方も増えています。
〇アフターサービス保証付きの物件を選ぶと安心
リノベーション済物件によっては、設備などに対して「アフターサービス保証」がついていることがあります。リノベーションの施工会社が保証しており、保証の内容は会社によってさまざまですが、ガス管・給排水管に対して10年の保証が付いているような場合もあります。
購入前に入念に確認したとしても、見えない部分の不具合は不安なものですよね。より安心して暮らすために、アフターサービス保証付き物件を選ぶのもおすすめです。
中古マンションの選びの3つのコツ
中古マンション選びの際に抑えておきたい前提条件3つをご紹介します。
お部屋に求める条件は人それぞれですが、以下の3つのポイントは誰にとっても大切なことです。
①無理のない資金計画を立てる
物件選びで一番大切なことは、無理のない住宅ローンの返済計画を立てることです。
理想を追い求めて無理に高い家を買っても、ローンの返済に追われて余裕のない毎日になってしまっては意味がありません。自分の収入額からゆとりをもって返済できる金額を設定し、それを目安に物件選びをしていきましょう。
住宅ローンの審査基準について詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:中古マンションの住宅ローン:審査基準と落ちないコツ
②マンションの管理体制をチェック
マンションの耐久性を考えたときに、一番重要になるのが管理体制です。
古いマンションでも定期的に大規模修繕などの手入れをすれば、良い状態を保つことができるためです。逆に、新しいマンションでも管理をせずに放っておけば、築年数とともにどんどん劣化してしまいます。
管理体制は、マンションの修繕履歴や今後の修繕の計画を見ることで分かるため、気に入った物件があれば、不動産会社にそのマンションの修繕状況を聞いてみると良いでしょう。また共用部の使い方からも管理体制や住人のモラルを見ることができます。内覧の際にはお部屋の中だけでなく共用部分もチェックすることをおすすめします。
内覧の際、具体的にどの部分をチェックすれば良いのか。詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:中古マンション内覧で使いたいチェックリストを公開!
③信頼できる不動産会社を選ぶ
お部屋に求める条件や、物件探しをしている状況は人それぞれです。
「誰でもこれを選べば絶対に正解!」という基準はありません。
そのため、自分にとって一番大切な条件をハッキリさせることが重要になってきます。すでに「これが一番大切」と決まっている場合は問題ありませんが、あやふやな場合は自分の好みや価値観を理解し、今後のライフプランまで一緒に考えてくれる不動産会社・営業スタッフがいると安心でしょう。
希望する条件からお部屋を探す方も多いですが、まずは「信頼できる営業スタッフを探す」というのも、お部屋探しの方法で大切なポイントのひとつです。
「それじゃ実際どう探したらいいの?」とお困りの方へ。中古マンションの探し方について詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:中古マンションの賢い探し方とは?
安心安全?「適合リノベーション住宅(R1住宅)」
〇R1住宅とは?
チラシやインターネットなどで物件の情報を見ているとき、下記のような「R1住宅」というアイコンを見たことのある方も多いのではないでしょうか。
R1住宅とは、リノベーション協議会(+α)が定める「統一規格」にのっとったリノベーションが施された住宅です。では、この統一規格について詳しく見ていきましょう。
- +α リノベーション協議会とは?
- リノベーション協議会とは、不動産会社やハウスメーカー、リフォーム業者、銀行などリノベーションに関わるさまざまな事業者が集まった団体です。
リノベーションの普及・認知の向上や、リノベーションの品質向上の促進などを目的に運営されています。
参考:リノベーション協議会HP
〇R1住宅の基準
統一規格には、「検査→工事→報告→保証+履歴」という5つのフローがあります。
このフローそれぞれに基準があり、すべてをクリアした物件が「R1住宅」と呼ばれます。
■検査
工事が行われる前に、建物の検査が行われます。検査の対象は、以下の重要なインフラ設備13項目です。
R1住宅の検査項目 重要インフラ13項目
①給水配管/②給湯配管/③排水配管/④ガス配管/⑤電気配線/⑥分電盤/⑦情報系配線/⑧換気設備/⑨住宅用火災警報器/⑩床下地/⑪壁下地/⑫天井下地/⑬浴室防水
■報告
上記の検査項目に関する適合状況や、リノベーションに関わった会社の内容などが明記された「適合状況報告書」が発行されます。この報告書には不具合があった際の相談窓口なども記載されています。
【見本 RI適合住宅状況報告書】
■保証
重要インフラ13項目には、2年以上のアフターサービス保証がついてきます。
■住宅履歴
住宅や工事の履歴として、以下の書類が住宅履歴に保管されます。
住宅履歴
以下の書類を住宅履歴に保管することを義務としています
(1)平面図(2)仕上げ表
更新した場合:(3)配管図(4)配電図(5)設備位置図
引用:リノベーション協議会 R1住宅の適合基準の構成
消費者(購入者)であれば、上記の書類はリノベーション協議会のホームページからいつでも確認することができます。
〇R1住宅のメリット
■品質が保証される
インフラ設備などについて検査が行われるため、お部屋の品質が保証されます。そのため安心して購入し、住むことができます。
また、インフラ設備については2年以上のアフターサービスが付いているため、お引越しのあとに不具合が発生した場合も問合せ先がひとつで済みます。
■売却の際にもスムーズ
住んでいる間の安心はもちろんですが、品質が保証されているため売却時にも安心です。お部屋の履歴を照明する書類が揃っているため、不動産会社に売却の相談をするときもスムーズに進むでしょう。統一規格に沿ったリノベーションが行われているということで、売却時に高く売れる可能性もあります。
まとめ
新築よりも安く、自分のライフスタイルにあったお部屋を手に入れられる「中古マンション+リノベーション」の組み合わせ。売却がしやすいなどのメリットも多いですが、内装工事の内容はよく確認しておく必要があります。近年はリノベーション住宅の品質を保証する基準も定まってきており、さらに安心して物件を購入できるようになりました。
内装工事の内容に安心してお部屋を購入したい人は、適合リノベーション住宅(R1住宅)も検討してみてください。